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エレベーター用ワイヤーロープのおさらい!
E種とA種の違い、心綱の違いとは?

エレベーターの運行に欠かせないワイヤーロープ。しかし、実はそのワイヤーロープの種類や特徴についてはあまり知られておりません。特に、E種とA種の違いや、心の種類について理解している人は少ないかもしれません。今回は、エレベーター用ワイヤーロープの基本をおさらいし、しっかりとその違いを理解していきましょう!

ワイヤーロープの特徴と構成について

まずはワイヤーロープそのものについてお話しします。ワイヤーロープは、主に金属製のワイヤーが束ねられたもの。エレベーターやクレーンなどの重い物を持ち上げるために作られていて、非常に高い強度と耐久性を備えています。ワイヤーは一般に鋼鉄で作られ、その直径や撚り方によって性能が変わるため、用途に応じて選ばれることが多いです。

次に、ワイヤーロープの構成に触れてみましょう。一般的には、外側のストランドと内側の心綱があり、これがロープの強さや柔軟性に影響を与えています。心綱は、主に天然繊維心(以下麻心)や合成繊維心(以下PP心)、鋼心で作られており、ワイヤーロープの使用用途によって使い分けられております。一部特殊ロープを除きエレベーターには、「麻心」と「PP心」が使用されております。

この麻心とPP心に染み込んだグリースがワイヤーロープ使用中に少しずつにじみ出ることで、潤滑と防錆に必要な油分を補給する重要な役割をしております。これによりロープの寿命が延び、エレベーターの安全な運行において非常に重要な部分であることを忘れてはいけません。

E種、A種の違いとは

さて、ここからはE種とA種の違いについて詳しく見ていきましょう。エレベーター用ワイヤーロープは大きく分けてE種とA種に分類されます。
○種とは素線の公称引張強さのことで、JIS G 3525(ワイヤロープ)ではE種(1320N/mm2級)、A種(1620N/mm2級)、と規定されており、A種の方が強いワイヤーロープとなっております。
E種とA種の選び方は、巻上機シーブの仕様や、各メーカー指定の種類を使用いたします。これを知らずに選んでしまうと、大きな事故につながる恐れがあるので要注意です。

麻心とPP心の違い、赤グリース、黒グリースの成分

次に、ワイヤーロープの心綱について見ていきましょう。ワイヤーロープの心綱には主に「麻心」と「PP心」の2種類があります。麻心は、天然素材である麻を使用しているため環境にやさしく、PP心に比べてグリースを含みやすいという特徴があります。

一方、PP心はポリプロピレン製で耐食性に優れており、特に湿気の影響を受けやすい場所での使用には、PP心が非常に効果的です。

また、グリースについても触れておきましょう。
心綱に含まれているグリースには、赤グリースと黒グリースの2種類があり、ワイヤーロープの保護や摩耗防止に使用されます。特にエレベーターロープではペトロラタムやマイクロワックス等の非晶質、微晶質の特殊なろう類を主成分とする赤グリースが使用されております。
黒グリースはアスファルトのような特殊瀝青質分を主成分としております。

ロープ構成の略称について

ワイヤーロープの構造や種類を理解する際には、略称も重要な要素です。具体的には、ロープの撚り方や構成によってさまざまな略称が使われています。例えば、”8×19″という表記は、19本の素線で構成したストランドを8本撚り合わされていることを示しています。このような略称を知ることで、ロープの特性を素早く理解する手助けになります。

さらに、ロープの直径や強度を示す数値も略称として使用されます。例えば、10mmや12mmなどの表記は、ロープの直径を示し、数値が大きいほど強度が高いことを意味します。これらの数値を正しく把握することで、適切なロープを選ぶことができ、エレベーターの安全性にも寄与します。

最後に、これらの略称は業界での共通認識として機能していますので、エレベーター関係の仕事に従事する方は、ぜひ覚えておくべきです。略称を理解することで、取引先とのコミュニケーションもスムーズに進むことでしょう。ワイヤーロープの選定は、安全性を確保するための重要な一歩です。

今回は、エレベーター用ワイヤーロープの基本知識をおさらいしましたが、いかがでしたか?E種とA種、心綱の種類やロープの略称を理解することで、より安全で適切な選択ができるようになります。これからエレベーターの運行に関わる際は、ぜひこれらの知識を活かしてみてくださいね!安全第一で、楽しいエレベーターライフを送りましょう!