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油圧式エレベーターの構造
~主要な装置について~

エレベーターの種類は、駆動方式によって分類され、主にロープ式と油圧式の二種類に分けられます。
今回はこの二種類のうち、油圧式エレベーターについて詳しく解説しますので、仕組みや特徴を理解していきましょう。
油圧式エレベーターでは、建物の屋上に機械室を設けなくてよいという特徴があります。
その場合、エレベーターを駆動させるための装置はどこへ設置されるのでしょうか。

油圧式エレベーターの基本構造

エレベーターを駆動させるための主な装置は、「制御盤」「油圧パワーユニット」「シリンダーとプランジャー」で構成されています。
各装置の特徴と役割について、詳しく解説します。

制御盤
さまざまな機器に電力を供給し、安全性や各種機能を制御する装置であり、エレベーターの頭脳にあたる部分です。

油圧パワーユニット
油圧式の動力源に必要な油を貯蔵するオイルタンクと、油を圧送するためのスクリュウポンプが内蔵されています。

シリンダー・プランジャー
シリンダー内部には油が充填されており、プランジャーは伸縮する機能を持っています。
油圧パワーユニットから送られる圧力は、シリンダー内の油を介してプランジャーに伝達され、その結果プランジャーが伸縮する仕組みです。

制御盤と油圧パワーユニットは、機械室内に設置されており、機械室は建物下部に設けることが可能です。

制御盤から供給される電力によって、油圧パワーユニットのスクリュウポンプが作動します。
スクリュウポンプは強力な圧力を発生させ、オイルタンクからシリンダーへ油を圧送します。
圧送された圧力を動力源として活用することで、プランジャーが上下に伸縮し、その動きによってかごが昇降します。
上昇時には、圧力による押し上げ力を利用し、下降時にはシリンダー内の油をパワーユニットへ戻すことで圧力を低減させ、スムーズに下降します。

この構造が、油圧式エレベーターの基本的な動作原理となっています。