お役立ち情報

冠水管制運転とは


エレベーターには、通常運転以外に「管制運転」と呼ばれる特別な運転モードが複数あります。
これらの機能は、非常時に利用者の安全を守るとともに、災害によるエレベーターの故障を未然に防ぐために設けられています。
今回は、数ある管制運転の中から【冠水管制運転】に焦点を当て、その機能について詳しくご説明いたします。

冠水管制運転

冠水管制運転を開始させるためには、冠水センサーによる検知が必要になります。
冠水センサーは主に、昇降路のかごが停止する最下階より下のピットと呼ばれるスペースに設置されています。

水が一定の高さまで流入したことを冠水センサーが検知すると、冠水管制運転が開始されます。
冠水管制運転の動きについてご説明します。

1階以下で待機中の場合
1.自動的に2階以上の階へ上昇します
2.戸閉したまま運転を休止します

走行中の場合
1.最寄階で停止させ扉を開き乗客を解放します
2.一定時間経過後、自動的に扉を閉め2階以上の階へ上昇します
3.戸閉したまま運転を休止します

運転休止後は、技術者による点検および復旧作業が完了するまで使用できません。

この動きにより、水害によるエレベーターの故障およびそれに伴う乗客の閉じ込めを未然に防ぎます。
※冠水管制運転の機能を備えたエレベーターに限ります

近年、台風の勢力が強まり、線状降水帯の発生に伴う豪雨災害が増加しています。
特に河川の氾濫や道路の冠水が懸念される地域では、冠水時の災害対策として冠水管制運転の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

次回は【基準階復帰(ホームランディング)運転】について詳しくご説明する予定です。