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ロープ式エレベーターの構造~機械室ありタイプ~
調速機とは
2025年6月10日
調速機とは、かごの昇降速度を監視し、異常な速度が検出された場合に安全装置を作動させる重要な装置です。
専門用語ではガバナとも呼ばれ、エレベーターに多数設置されている安全装置のひとつです。
調速機と連動するさまざまな装置によって、速度超過による衝突や、かごの落下といった重大な事故を未然に防いでいます。
調速機の設置場所と構造
設置場所
機械室ありタイプのロープ式エレベーターでは、通常、その機械室内に調速機が設置されています。
構造
調速機のシーブと昇降路の下部に設置された滑車を経由して、「ガバナロープ」と呼ばれる調速機用のロープが掛けられています。
このロープの一部は、かごに設置されている非常止め装置のレバーに固定されており、かごの昇降と連動する仕組みとなっています。
ロープの回転により調速機のシーブが回転し、その回転速度からかごの昇降速度を把握することができます。
調速機には振り子が装備されており、昇降速度が増すと振り子が徐々に開いていきます。
速度が過度に上昇すると振り子は大きく開き、内蔵されたスイッチに接触することで速度の異常を検出します。
調速機の機能について
調速機が異常な速度を検出すると、強制的にエレベーターを停止させる動作をする仕組みになっています。
内蔵されたスイッチに振り子が接触することで制動装置(ブレーキ)を作動させ、動力を切断し電気的に停止させます。
電力切断後も加速する場合、ロープキャッチがガバナロープをつかんで非常止め装置を作動させます。
非常止め装置がガイドレールをつかみ、機械的に停止させます。
調速機は、エレベーターの安全運行に欠かせない装置です。
速度異常を検知する調速機と、それに連動するさまざまな安全装置が連携して機能することで、エレベーターの重大な事故を未然に防いでいます。