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エレベーター部品の解説【昇降路関連】
後編
2025年7月16日
本記事は、前編に続く後編となります。
後編でも引き続き、昇降路内に設置されている装置や部品について詳しく解説いたします。
昇降路の主な部品をご紹介
着床センサー
かごが停止する位置を把握するために設置されています。
昇降路内の各階にはプレートが設置されており、コの字型の着床センサーがこれを検知することで、正確な停止位置を把握します。
乗場の床とかごの床に段差ができないのは、着床センサーが正確な停止位置を把握しているからです。
テールコード(移動ケーブル)
エレベーターのかごと制御機器、制御盤間の通信や電力を供給する電線で、かご下に吊り下げられ、かごの動きに合わせて昇降するケーブルのことです。
ピットスイッチ
エレベーターが停止する最下階の床面から、かご下の底面までの空間のことをピットと呼びます。
ピットスイッチは、かごの誤作動や不意の移動を防止するための安全スイッチです。
ピットに降りて工事や保守作業を行う際、スイッチの操作ができるようピットに設置されています。
冠水センサー
ピットへの水の流入は、エレベーター機器の故障や停止を引き起こす可能性があり、利用中の場合は乗客が閉じ込められる危険性があります。
冠水センサーは、主にピット内に配置され、水位が一定の高さに達すると制御盤に信号を送り、エレベーターは冠水管制運転へ自動で切り替わります。
冠水センサーの作動によって、エレベーターを水害から保護するとともに、乗客の閉じ込め事故を防ぐことができます。
エレベーターの昇降路は、利用者の目に触れることはほとんどありませんが、さまざまな装置が安全な運行を支えている重要な場所です。
まだ紹介しきれていない部分も多いため、次回は「機械室」に関連する部品について詳しくご紹介する予定です。