お役立ち情報
エレベーター部品の解説【機械室関連】
2025年7月18日
今回は、主に機械室に設置されている安全装置と電源装置についてご紹介いたします。
本記事で紹介する安全装置は、特に停電や地震などの非常時に、利用者の安全を確保するために作動します。
利用者の安全確保と主要機器の保護を目的として、それぞれの装置が果たす重要な役割について詳しく解説いたします。
機械室に設置されている安全装置と電源装置
停電時自動着床装置
停電による閉じ込め事故を防止するための装置です。
停電が発生すると、走行中のかごはその場で停止し、扉が開かなくなるため、乗客が閉じ込められてしまいます。
しかし、停電時自動着床装置が設置されている場合、停電が発生するとバッテリー電源へ切り替わり、停止した位置から最も近い階までかごを移動させ、扉を開いて乗客を安全に解放します。
電源装置(AVR)
AVRは「Automatic Voltage Regulator」の略称で、日本語では「自動電圧調整器」と呼ばれています。
エレベーター業界においては、主に「電源装置(AVR)」という名称で用いられることが多いです。
AVRを用いて電圧を安定化させることで、誤作動の発生を防ぎます。また、過電圧や低電圧を補正することで、機器にダメージを与えないよう保護します。
地震計
地震波を感知し、基準値を超えると信号を出す装置です。この信号を受けて安全装置が作動します。
地震計が作動すると、地震時管制運転へ切り替わり、最寄階で停止してドアを開放することで乗客の閉じ込めを防ぎます。
機械室は利用者が立ち入ることのない場所ですが、そこにはエレベーターの安全を常に支える装置が稼働待機しています。
その存在を知ることで、エレベーターの利用時に一層安心感を持つことができるでしょう。