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地震管制運転とは


エレベーターには、通常運転以外に「管制運転」と呼ばれる特別な運転モードが複数あります。
これらの機能は、非常時に利用者の安全を守るとともに、災害によるエレベーターの故障を未然に防ぐために設けられています。
今回は、数ある管制運転の中から【地震管制運転】に焦点を当て、その機能について詳しくご説明いたします。

地震管制運転

地震計が揺れを感知することで、地震管制運転へ切り替わります。
揺れの種類には、初期微動であるP波と本震にあたるS波があり、検知した揺れの大きさに応じて管制運転の動作が異なります。

一般的にはP波が先に感知されると考えられており、走行中にP波を感知した場合の動きは、
「最寄階に停止」→「到着後扉を開放」→「戸閉停止(運転休止)」となります。

その後の動作は、S波感知の有無により異なります。

S波感知なし:一定時間経過後、通常運転へ復帰
S波感知あり:通常運転へ復帰せず運転休止を継続

S波感知により運転休止になった場合、技術者が点検および復旧作業を完了するまで、エレベーターは動きません。

また、地震などによる停電で電力が遮断され停止した場合でも、自動的にバッテリー電源に切り替わり、最寄りの階までエレベーターを運転して乗客を安全に救出します。
この動作は、停電時自動着床装置を用いて実現される停電管制運転の機能です。
次回は【停電管制運転】について詳しくご説明する予定です。

日常的にエレベーターを利用することが多い方は、地震管制運転の機能についてあらかじめ理解しておくことで、非常時にも慌てず冷静に避難行動を取ることができます。